最近サイトに訪れるとモーダルダイアログで何かに登録させようというサイトが増えてきた。インタースティシャルほどのウザいものではないが、単純にバツボタンで閉じさせるUIではなく、オファーを断るのに人を馬鹿にしたリンクテキストのクリックを強要する悪質なアイデアが増えている。実例と、正しい扱い方を考える。
まずは下記の翻訳記事を御覧いただきたい。
要は上記の記事の所感を書きたいという趣旨です。
無慈悲な二択
上記の記事では、「マニュピュリンク」「manipulate people」という言葉で「無慈悲な二択」を表現しています。
WEBマーケティングにおけるマニュピュリンク(manipulink)とはおそらくNielsen Norman Groupが作った造語で、「無慈悲な二択」を迫り、ユーザの行動を強制するデザイン手法を指すようです。無慈悲な二択とは、一つは何かに登録すること、もう一つはそれを登録しないなんて正気?と煽るような選択肢を選ばせることです。登録しないことを皮肉るのです。
日常会話での例としてはこんな感じです。
レストランでウェイターからこう言われたと想像してみるとよい。
「メインディッシュにコショウはいかがですか。それとも、食べ物には味がないほうがお好みでしょうか」
こんな言い方をされたら、
肯定的に返事するにしても「そんなわけねーだろ!さっさとコショウよこせ!」
あるいは強がって「そうそう!コショウなんてかけたら素材の味がわからなくなっちゃうよ!」
どちらも精神的に揺さぶられています。ウェイターの思う壺ですね。これをウェブ上でやるのです。
具体的な例
http://www.womenshealthmag.com/
というサイトの例ですが、アクセスするとたまにオーバーレイが表示されます。
どうでしょう、「No thanks.」だけで良いのに「I don’t need to work out.」なんて余計な一言がついていますね。元々痩せている人は何も思わないかもしれませんが、少しでもダイエットに興味がある人にとっては精神的に揺らぐものがあるのではないでしょうか。
その結果立ち止まってサイトが提示してくるベネフィットを注意深く読んでしまい、言いくるめられてメールアドレスを入力してしまう人もいそうです。思う壺ですね。
なんと!あの有名サイトも!?
GoogleやAmazonまでも!(引用元)
もはやマーケターのアイデアではなく単純な流行と化しているようです。
何がダメなのか
こんなクソみたいなデザインを考えて短期的にコンバージョンが上がって喜んでいるとしたら片腹痛いです。こういうのは詐欺情報商材サイトがやるものです。真っ当なサイトがそんなことしていたらブランドイメージはすぐに崩れてしまいます。
ユーザーは愚かではない。愚かであるかのように扱われれば、侮辱されたと感じる。
このアプローチは、A/Bテストでは数量化しにくいやり方で、ユーザーエクスペリエンスに悪影響を及ぼしていくのだ。
人に直接言ったら失礼なことは、宣伝文句にあっても失礼なのである。
この通りですね。
しかしニールセン博士は相変わらず名言だらけです。
正しいデザインは?
Amazonのマニュピュリンクを例に、デザインを修正してみましょう。
意味を反転させてみましょう。
↓
テキストリンクとボタンではフェアではないですね。
↓
ま、入力してもらって誤ってコンティニューボタンをクリックされてもUXが悪いので、
↓
普通になりました。
しかしこれでいいのです。
まとめ
マニュピュリンクというアイデアが無慈悲な二択とならないよう、あくまで肯定的に用いましょう。